人身事故

10時45分ころ、旦那は重めの会議でまだまだとても帰れそうになかったもんで一人で家路につく。
明大前で運良くすき気味の急行高幡不動行きに乗れたのはいいんだけど、つつじヶ丘に着くあたりで社内アナウンス。
「ただいま、西調布。飛田給間で人身事故が発生しました、遅れが見込まれます」
だって。
あうあと2本早ければ素直におうちに帰ってダブルチーズバーガーと揚げたてのポテトをかじっていられたのに。
15分程調布で待ちぼうけをくらってから電車が動き出すと、ご丁寧に
「事故現場は徐行いたします」
なんてアナウンスで大人げなく外覗いてました。
踏切らへんで(なぜか)消防車と救急車が停まっていて、赤いランプが点滅してるのを見たら心底ぞっとした。
反射っていうのか、赤いランプを見るだけでなんかとても不吉で不安になるぉ。
付近の線路沿いにはポリスメン達が各々懐中電灯を片手に散らばっていた。

懐中電灯で照らして見つけなきゃいけないモンが線路内に転がっていた

のは明白な事実で、あぁ、痛かったろうなぁと嫌な気持ちに。

東京に住んでると、電車の人身事故や自殺情報にいちいち驚かなかなくなってしまう。
平均的に月に1回はどっかの路線で人身事故があるし、普段使わない路線でも迷惑度数の大きさから耳に飛び込んできやすい。
「今朝、中央線で飛び込みがあったおかげで1時間遅刻しちゃったよ」
「うわ、超迷惑、朝やるなよなー」
など。

人身事故といっても種類がいくつか思い当たる。
混雑したホームで人にぶつかって落ちた(もしくは電車にひっかかった)、酔ってて落ちた、自殺など。
落ちたくもないのに落ちたのは別として(もちろん望まない死亡であるなら哀れに思うけど)、自ら飛び込むその心境はいかがなものかと思う。
迷惑この上ない自分勝手な行為だけど、そうせざるを得ない程追いつめられてたのかと思うと、なんとも憂鬱になる。
例えば自分が西調布付近で90キロ近くスピード出して突っ込んでくる電車の前に躍り出たとしよう、絶対痛い、でも痛いのは一瞬だろう。
それ以上に、電車に跳ねられる瞬間の恐怖のほうが恐ろしい、とんでもない、成仏するわきゃーない。
それとも、その恐怖の中で「あぁこれで楽になる」って肩の荷下ろした気になってんだろうか?

人身事故と聞くたびに、自殺だったらと仮定してその瞬間の恐怖に想いを馳せてしまう小心者なのです。