老い

mechiko2005-12-20

なんとなく仕事に身が入らず、上司もいないことだし思いつくままに書きとめよう。

先日、入籍の挨拶に祖父の家に行った時のこと。
祖父は92歳で、老人によくあるように、一人で思うがままに喋り、それに相方の母が答えていた。
会話の合間に、我々外野は相槌入れたりちょっと口をはさんだりしてて。
会話が一瞬途切れたので、(その場を繕おうと)おじいに
「○○だよね?」
って聞いた(何聞いたか忘れた)ら、は?っていう顔でこっちを見た。
母がすかさず
「聞こえないの」
ってオイラにちょっと小声で言って、祖父にワタシが聞いたことを聞きなおした。
オイラは想定外のことにしばらく声が出なかった。
そうか、老いとはこういうことで、オイラのじいさんも例外なく老いているのだ。
と思うと、とても切なかった。

さらに、ワタシが3歳くらいに祖父に買ってもらったキツネのぬいぐるみを覚えてるかと聞くと、「忘れたなぁ」と答える。
これも老いのせいといえ、いまでもオイラの枕元にいるぬいぐるみを忘れてしまっているのかと思うと、余計胸が詰まった。
いまでもこの文を書いているだけで涙が溢れそうだ。

人を愛することは残酷だ、と思う。
どんなに愛している人も、老いれば耳が遠くなり、さまざまな思い出を忘れて最後には死んでしまうのだ。
はっきりそうわかったとたんに、今までとても迷惑をかけたりバカやったことがとてつもなく申し訳なくて、罪悪感に苛まれた。

とりあえず、今週末、お礼の手紙を書こう。
年賀状も書かなきゃ。
できるときに顔出してちょっとでもたくさん話をしよう。(今度はきつねを持っていこう)
などと思う今日この頃。


くそう、こんなときにこんなBGMは合いすぎる。
♪Holding My Own
パーミッション・トゥ・ランド

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